安全への取組み~安全スローガン~
安全スローガン
平成30年6月度安全スローガン 高所作業車
2018-06-01
6月、一年の半分が過ぎようとしています。
弊社でも、ありがたいことに工事も受注できまして、本格的に工事を始めよう、
というところでしょうか。 と、その前に。
今のうちにちゃんと確認しておこうか、という、今月のスローガンです。
○平成30年6月度安全スローガン
『高所作業車の特性を理解し、
もう一度安全について考えよう』
出ました。高所作業車です。当社の工事になくてはならない相棒です。
忙しくなる前にしっかり点検、確認して、今年も安全に使えるように
しましょう。
◎高所作業車の始業点検
〇静止点検
まず車両に乗込む前に、車体の周辺から目視点検します。
損傷・ガタつき・油漏れの有無、取付けに異常がないかをチェックします。
普段からよく観察することで、異変にも気づきやすくなります。
~点検ポイント~
・ジャッキ(アウトリガー)
・下部操作装置
・ブーム
・バケット
・上部操作装置
・バケット平衡取り装置
(※調整バルブが完全に閉じているか確認する。
閉じていないとバケットが傾き危険!)
〇作動点検
つぎに実際に各部を操作して、正しく作動するか、正しく停止するかを
点検します。
この時、車両はできるだけ周囲に障害物のない水平な固い地盤で、
必ずバケットは無負荷で下部操作をします。
~点検ポイント~
・PTO(Power Take Off)レバー
・ジャッキ(アウトリガー)
・ブーム
・バケット
・安全装置
《PTOレバー》
・レバーの切替え具合、異音の有無を確認
《ジャッキ・ブーム・バケット》
・レバー操作に合わせ、作動・停止がスムーズに行えるか
・レバーの動きはどうか、確実に中立位置に戻るか
・ひっかかりはないか、ガタや遊びがないか
《安全装置》
・インターロック装置、非常用ポンプ装置、停止スイッチ、
作業範囲規制装置などの安全装置の仕組みを理解し、作動確認を行う
◎安全装置の種類としくみ
①インターロック装置
車両の転倒を防止するための装置で、ジャッキインターロック装置と
ブームインターロック装置があります。
いずれもインターロック装置が働くと、ジャッキ又はブームの作動が
できなくなります。
・ジャッキインターロックが作動した場合
⇒4本のジャッキが完全かつ車両の水平を保つように操作
・ブームインターロックが作動した場合
⇒ブームをブーム受けに確実に格納
②非常用ポンプ装置
作業中にエンジンやプロペラシャフト、油圧ポンプにトラブルが生じると、
各作動ができなくなります。
そのため緊急用として、車両用バッテリを電源とした非常用ポンプを使って、
油圧を発生させ、各作動を行います。
!非常用ポンプ作動に関する注意!
・一回の作動時間は30秒以内、
再度行う場合は30秒以上の時間をおいてから行うこと
③停止スイッチ
停止スイッチを押すと、ブーム・バケットの作動をすべて停止できます。
・下部で停止スイッチを押す⇒上・下部、全ての操作ができなくなる
・上部の停止スイッチを押す⇒下部にある上部キャンセルスイッチを
入れることで、下部操作のみできるようになる
!停止スイッチ作動に関する注意!
・作動中、操作レバーを停止位置にしても停止しない、レバーがものに接触して
戻せなくなった時などに使用する
・停止スイッチを押すと、ランプが点灯し作動停止、再度押すと停止を解除する
・作業中にブームを動かす必要がない時、停止スイッチを押しておくと、誤って
操作レバーに触れても動き出すことがない
・ジャッキ・ブームが自然降下時は、停止スイッチを押しても止まらない
④作業範囲規制装置
ブームが作業範囲図に示す作動限界位置に達したら、指導的に動きを停止し、
作業中の転倒を防止します。作業範囲図は車両操作部に表示されているので、
事前に確認しましょう。
◎傾斜地での車両設置方法
以下、傾斜地での作業車設置の手順及び注意事項です。
信号はいろいろなところにあります。もちろん、坂の途中などにも。
普段から意識して、安全にしっかり設置できるようにしましょう。
①駐車の仕方
・傾斜地では必ず車両前方を前下がりに駐車し、駐車ブレーキを確実にかけ、
フートブレーキを外しても動かないことを確認する
・全部のタイヤに輪留めをセットする
・傾斜角7度を超える傾斜地には高所作業車を使うことはできない
②ジャッキセット
・傾斜地では「ジャッキ自動張出し」は使用しない
(前後順次作動機能・自動水平設置機能付きの車両を除く)
・ジャッキセットは必ず前ジャッキ⇒後ジャッキの順で行う
・ジャッキがジャッキベースに接した時点で一度止め、ベース位置を
確認してからセットする
③車両の水平確保
・路面の傾斜にかかわらず、車両が水平になるようにジャッキアップする
・このとき車両の前後方向の水平が確保できない場合は、傾斜角度3度を
超えないようにする(ただし、左右は必ず水平確保)
・ジャッキベースを使用して水平を確保する場合は、2枚20㎝以内が限度
・全てのジャッキに荷重がかかり、全てのタイヤが地切りしていることを確認
④ジャッキの格納
・作業が終了したらブームを完全に格納
・ジャッキの格納は必ず後ジャッキ⇒前ジャッキの順で行う
・ジャッキ格納の際は、タイヤが地面に接した時点でいったん止め、輪留めが
タイヤに確実にかかっていることを確認してから操作を続ける
◎高所作業車の取扱注意事項
〇軟弱地盤などでの注意
・路肩や水気の多い軟弱な地盤にジャッキを張って作業をする場合、
荷重が多くかかったジャッキが沈んで転倒するケースがあるので注意する
・軟弱な地盤ではジャッキが沈まないように適切な措置を講じる
・マンホールや側溝のふたなどの上に直接ジャッキをセットしない
(割れる可能性あり)
〇安全帯の使用
・バケットへの搭乗者は、保護帽・安全帯を正しく身に着ける
・構造規格に適合したものを使用し、変形、損傷したものは使用しない
・登場したら直ちに安全帯のフックをバケットのフック掛けに確実にかける
※参考:過去安全会議参照 ⇒ 平成29年2月保護帽・平成28年5月安全帯
〇作業位置付近での注意
・旋回・起伏操作はブームが伸びているほど動きが早く、衝撃が大きくなる。
作業位置付近での旋回・起伏はアクセルを低速に切り替え、レバー操作を
1本ずつ行うか、伸縮又は首振り操作で位置決めを行う
いかがでしょうか。
「高所作業もバケットの中だったら安全!」というわけもなく、
やはり日々の点検の有無や、使い方次第では大事故にも繋がりかねません。
…もし、ブームを伸ばした状態でもし突風にあおられたら。
…もし、車体がバランスを崩したら。
…もし、使用中にもし故障してしまったら。
いつ、そんな“もし”が起こるかわかりません。
どんな優れた機械でも、それを使うのは人間です。
“もしあの時こうしていれば・・・”というような、“もし”が起こらないように、
日ごろから点検、確認、正しい使い方をしていきましょう。