安全への取組み~安全スローガン~
安全スローガン
平成30年10月度安全スローガン ユニック車
2018-10-01
平成30年10月度安全スローガン
『ユニック車の危険作業を防止し、安全に作業しよう』
今月のテーマはユニック車(積載型トラッククレーン)です。
弊社信号工事では、車両灯器の取付や建柱工などに使用しますので、とても大切な相棒です。
そんなお役立ちなユニック車ですが、使い方によっては大変重大な事故につながることもあります。
今一度、ユニック車の危険作業を確認し、重大災害を未然に防ぎましょう。
※参考:平成30年6月スローガン…高所作業車
◎ユニック車の安全作業のポイント
まずは、ユニック車の作業を安全に行うための7ポイントです。
参考:建設廃棄物協同組合 「ユニック車の危険作業について」
①アウトリガーの設置は平坦で堅固な場所で行う
柔らかい地盤の上にアウトリガーを設置すると、ジャッキフロートが沈んで車体が傾き、
転倒の恐れがあります。
作業を行う際は、必ず車体と吊荷を十分に支持できる固い地盤にアウトリガーを設置するか、
もしくは敷板を使用します。
②アウトリガーは原則最大限に張り出す
ユニック車の作業は両サイドのアウトリガーを最大限に張り出して行いましょう。
(クレーン等安全規則70条の5)
③坂道での作業は行わない
ユニック車の積み下ろしは、平坦で堅固な場所で行いましょう。(安衛則161条)
そうでない場所では、ユニック車は使用せず、ダンプなどでの搬出を検討する必要があります。
④天井高が低い場所では作業しない
屋内での積込みは天井にブームが当たる恐れがあり、ブームが低い状態は作業が難しくなります。
また、屋外でも架空線に引っかける恐れもあり、作業環境の事前確認をしましょう。
⑤積込み作業は空車時定格荷重に基づいて行う
前吊り作業は空車時定格総荷重の1/4以下に限られています。
ユニック車に空車時定格総荷重が記載されていますので、確認しましょう。
⑥引きずり作業など、目的外の使用をしない
ブームを伸ばして遠くにある荷物を引きずって引っ張ることは、重機の目的外使用にあたり、
禁止です。ブームが折れたり、ワイヤーが外れるなどの危険があります。
⑦旋回時の作業領域内に立ち入らせない
カラーコーンの使用、誘導員の配置など、作業領域内に第三者が入らないようにしましょう。
◎ソフトスリング、ワイヤーの点検・廃棄基準
スリングやワイヤーにも日常的に点検が必要です。
以下の点検項目を参考に、使用前や定期的に確認し、異常があれば即交換しましょう。
また、スリングは荷重別に色分けがされていますので、吊荷に合わせて適切なスリングを
使用することも重要です。
《ソフトスリング点検・廃棄基準》
使用前、定期点検にて、以下の状態が一つでも見られる場合には交換してください。
参考資料:㈱IHS / 上記中図参照
①表面布・・・・アイ、本体部の表面が損傷して、心体が確認できるもの
②縫製部分・・・縫製部の縫糸がほつれ、心体が確認できるもの
③その他外観・・a)摩耗により表面布が著しく毛羽立っているもの
b)表面布に変色、着色、溶解、溶接、腐食などの異常がみられるもの
④心体の異常・・触って心体が部分的に固くなったり、厚さの不均一が著しいもの
⑤使用期間・・・目立った損傷や外観に異常がなくても、使用期間により劣化が考えられるもの
a)屋内環境(※1)で使用・・・使用開始から7年経過
b)屋外環境(※2)で使用・・・使用開始から3年経過(※3) ※1:常温で日光の遮られた屋内
※2:一日の日照時間が3時間に相当する屋外
※3:一般的な屋外環境での目安。紫外線・熱の影響の強い環境では短縮される
⑥当てもの・・・著しく損傷、破損又は変形したもの
《ソフトスリング最大使用荷重と色分け》JIS B8811
最大使用荷重 ⇒ 表面布色
0.5t ⇒ 灰
1.0t ⇒ 紫
1.6t ⇒ 青
2.0t ⇒ 緑
3.2t ⇒ 黄
5.0t ⇒ 赤
8.0t ⇒ 紺 ※10.0t以上は当事者間の協定による
《ワイヤーロープ点検・廃棄基準》
使用前に目視で点検し、一つでも廃棄基準に達していたら、そのロープは廃棄しましょう。
参考資料:日本クレーン協会 / 上記右図参照
①断線・・・・ひとより当たりの可視断線数が以下の状態なら廃棄
ロープ構成 ⇒ 可視断線数
6×24 ⇒ 9本
6×37 ⇒ 10本
6×Fi(25) ⇒ 5本
6×Fi(29) ⇒ 6本
②摩耗・・・・摩耗によって直径が5%以上減少している
③腐食・・・・素線表面にピッチングが生じ、あばた状になっている
④キンク・・・局部的によりが詰まったり、戻ったりしている
⑤うねり・・・著しいうねりが認められる
⑥つぶれ・・・著しいつぶれが認められる
⑦曲がり・・・著しく鋭角な曲がり方をしたもの
⑧きず・・・・著しいきずを生じたもの
※“著しい〇〇”という表現はわかりにくいので、参考資料図をご確認ください
ユニック車など、作業車は工事をするにあたり、便利で重要な役割を果たしていますが、
それだけに不備があったりすると大事故につながる危険もあります。
点検および使用の際に”怪しいな”と思われる点があったら、即対応しましょう。
スリングなどは消耗品として、余裕をもって予備を用意することもできますね。